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2016.04.25 (Mon)

妄想最前線

この土日ぶっ続けてプレイして
ようやくロマサガ2も一段落したぞー。
こんなに遊んだのは久しぶりだな。
さすがサガシリーズでも最高峰との呼び声高い作品よの。



そういやロマサガ2といえば
1898.jpg
で有名だけど,そのフォローとしてかなんなのか
なんと強くてニューゲームが採用されてたんよ。
いやびっくりした。

正直サガシリーズの楽しさは強敵との死闘と
キャラクターの育成にあると思ってたから
こんなチートじみた仕様いるんかいなって感じだったけど,
ロマサガ2に関してはこれもありかもしれない。
というのも,ロマサガ2というゲームは複数の階層で構成されているから。



個々の戦闘における勝利を目指す[戦術パート]

限られた予算で国を回していく[運営パート]

イベントフラグを管理して攻略ルートを確立する[戦略パート]

自分なりの楽しみ方を見つけていく[創造パート]



こんなふうに。
強くてニューゲームでスキップできるのはせいぜい戦術・運営くらいで
ロマサガ2の攻略の楽しみが失われるわけでない…どころか
強キャラを前提とすることで上位パートに新たな選択肢が
生じうるわけで,むしろより奥深くなったともいえる。
運河要塞の強行突破も楽にできるようになってるし。

一方でHPだけは1から鍛えあげないといけないって
いうところもちょっとしたアクセントになっていていい。

そして予算も知識も万全となり,思いどおりのシナリオでゲームを
展開していこうとしたとき,最後にネックになるのは戦闘回数…
つまり最終的にロマサガ2は敵よけアクションゲームになるって
いうところがなんとも面白い。

ただのRPGと呼ぶにはあまりにもいろいろな顔を見せるんだよなあ。
何十年も遊ばれ続けるのもむべなるかな。

こんなゲームをいままた(寝ながら)遊べるなんて,
ほんとうなんて幸せなんだろう。



とはいえ,3周回したんでいったん気分を切り替えようと思ってね。
次のゲームに手を出しました。

なにかって?
サガフロ1に決まってんだろ!!!!

うっひょおおおお
PS1の起動ロゴなっつかしいいいぃぃ!!!
こんなところまで再現してんのかよwwwwww
飛ばしていいからこういうのはさwwwwwwwwwwwwww



こっちの方は据え置き機で遊ぶのが面倒になって
しばらく触ってなかったからどうなることかと思ったけど,
リュート編で始めた途端にネルソンで艦長,
ルミナスでルージュ,スクラップでクーン一行を回収して
シュライクで三種の神器,シンロウでデュエルガン拾って
ジャンク屋で売っぱらって…と無意識に操作していたときには
自分でも唖然としたわ。
わしのミトコンドリアの中にサガのDNAが刻み込まれている…!



サガフロはサガフロで,ゲームボーイの初代シリーズに
立ち返ったかのようなあのカオスぶりがたまらないんだよなあ。
それを象徴するかのようなクーロンの街並みがホント最高。

背景なのか入り口なのかすら分からない雑然とした路地,
マンホールの底だの下水だのを抜けた先にある
いかにもいかがわしい(実際横流し品を扱っている)武器屋,
路地裏に入った途端に強盗に会うのは日常茶飯事,
迷い込んだ先には悪の秘密結社の前線基地や
巨大モンスターの巣がお出迎えときたもんだ!

街は安全な場所だと誰が決めた!?
それでもたくましく生きている住民の強かさ。
圧倒的センス・オブ・ワンダー!!



開発期間があと1年長ければ,サガフロ1は最高の
オープンワールドゲームになったとわしは今でも信じている。
オープンワールドという用語は適切でないかもしれないが…
あるいは最高のオンラインゲームになっていたに違いない。

無限の宇宙に点在するリージョンという小世界,という
世界観はオンラインゲームとの相性が抜群ではあるまいか。
どんなに奇抜で脈絡のない展開をしていったとしても,
「ああ,今回はそういうリージョンなんだな」で済んでしまう。

近未来ヴィブロブレードでチャンチャンバラバラやってる横で
古代の神器が奏でる聖歌が敵を消し飛ばす!
頼みの綱のトリケラトプスがいつの間にか
巨大キノコになっているかと思えば,
メガコーポが性能実験のために横流しした粒子加速砲より
強力なジャイアントスイングをかます格闘家がいて…
そんな世界ではどんなキャラがクターがいてもお咎めなし!
まだ見ぬ強者,見知らぬ世界を探し求める楽しさは
他のゲームの追随を許さないだろう!

この世界で,得体の知れない連中と馬鹿騒ぎしながら
ただただ面白おかしく暮らしたかった…。
リージョンを股にかけるオンボロシップの運び屋として,
タンザーに巣食う悪党として,
セントアリオのヒーローの一員として,
世界中の仲間と旅がしたかった。
サガフロ1にはそれだけの器があった。

シリーズでも1,2を争うほどの”未”完成度を誇るものの,
いやそれがゆえに無限の可能性を秘めた作品だった。
まさにフロンティアの名にふさわしい作品だった。



このゲームのそこかしこには,そんな過去の妄執が
キラキラと輝いていて,遊ぶたびに胸がしめつけられる思いだ。

かつてリチャード・ギャリオットが夢想した
もうひとつの現実…MMOの世界もいまや衰退著しいが,
我々のように妄想の中でしか生きられぬ人間の受け皿と
なりうる世界がどこかに残っていてくれることを切に願う。

そしてそれがあの猥雑で,めちゃくちゃで,
でも本当にワクワクさせてくれるリージョンという名の
星々であることをいまもまだ諦めきれずにいるのだ。

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2016.04.20 (Wed)

23年後

フィー ジャキン

やるぞ!!



ロマサガ2のプレイ時間が60時間を突破,
一向に衰える気配を見せません。

移植の完成度について色々いわれているようでもあるけど,
なんのなんの原作の完成度が高すぎてまったく気にならないぜ(信者補正)。
SEのバグも修正するっていってくれてるし。



しかし,ロマサガ2は河津ゲーの中でも
FF2,サガ2に並んで思い入れの強い作品。

ロマサガ2について語ることは我が人生のすべてを語ることに等しい。

ゆえに生半可な覚悟では臨めない…。
この苦悩をご理解いただけるだろうか。
わかってくれるはずだルドンへの道を
ともに歩んだ歴代皇帝たちなら!!



とはいえVita版ロマサガ2はリメイクではなくて移植だから
原作どおり楽しいです,で終わりといえば終わりでもある。

細かい点を挙げようと思えば挙げられないこともないけど,
骨子としてのロマサガ2の楽しさをどうこうするものでもなし。
携帯機で遊べるだけでもう満願叶ったりだからね。



結局買ったほうがいいのかって?
きくまでも なかろうよ!

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2011.10.30 (Sun)

アバロン アバロン 麗しの

無理っ!(挨拶)
グリーフシンドローム,どうやっても50周の3面が突破できない。
最後の電気ビリビリ床が魔法少女たちの生き血を吸いすぎて見滝原のルドン高原状態に。

というわけで,こちらはいったん諦めて,DSのサガ3でたっぷりと遊んでいました。
今4…5周目くらいかな。
あまりにも楽しすぎてやめ時が見つからない。
サガシリーズの鬼子,黒歴史と呼ばれたサガ3が,20年後の未来に
このような神ゲーになって蘇るなどと,いったい誰が予想しただろうか!
では,その魅力をたっぷりとお伝え…する前に,
なぜかロマサガ2のことが書きたくなったのでそっちを書いちゃう。



サガシリーズといえば,戦闘の楽しさがウリのひとつ。
魂を揺さぶる伊藤賢治渾身のBGM,
アドレナリン射出装置ことピコーン閃き電球,
そして雑魚戦ですら気が抜けない,殺意マックス
(火の鳥,吹雪,地獄爪殺法,触手に踏みつけ…)
の敵の強さが合わさり最強に見えるわけなんだけど,
ここら辺の基礎ができたのがだいたいロマサガ2なんだよね。
特に電球。
だから,SFC最高傑作との呼び声も高いわけだ(わしの脳内で)。

でも,今日言いたいのはそっちじゃなくて,
ストーリーの奥深さについてなんだ。
サガシリーズはストーリーよりもシステムのほうが優先されていて,
どうにも物語としてはそっけないという印象も受ける人もいそう。
確かに,お店に行けば店主から「なんの ようだ!」と怒鳴られ,
命がけで助けたヒロインからは「はやく きえて!」と怒鳴られ,
キャラクターは将棋やオセロの駒のように使い捨てされていく…
とまあなかなかに殺伐としているんだけど,
その短い台詞回しの中に独特な味わいや人間くささがあって
たまらないんだわ,これが。

さらに言うと,膨大な設定がプレイヤーの日の目を見ることなく,
静かに世界の奥底に横たわっている(ように思える部分が散見している)
のも,色々と想像を掻き立ててくれて楽しい。
ロマサガ2も,ロマサガ1,サガフロ2と並ぶ,そういった鬼設定の白眉。
今日はそんなロマサガ2の魅力を,ストーリー面から紹介したい。
あ,ネタバレ全開だけど,
発売から15年は経ってるゲームでネタバレもクソもないよね!










まず,ロマサガ2のストーリーの骨子。
これがまた,当時はとても新鮮だった。
時は中世,群雄割拠の時代に,辺境の小国の皇帝が世界制覇を目指すという
清く正しい帝国主義のゲームなんだもの。

スターウォーズの影響かなんなのか知らないけど,
当時のゲーム界では帝国はザ・悪役の代名詞。
FFがパラメキア,バロン,ガストラと徹底的にヒールに描いているのに対して
この展開には驚かされたなー。

そしてここからが重要なんだけど,
プレイヤー操るバレンヌ帝国(長い間勘違いしてたんだけど,
「アバロン」は帝国首都の名前で, バレンヌ帝国が正式名称みたい)
は,ストーリーの最初に七英雄を名乗る怪物から襲撃を受けるんだ。
そこで,彼らの脅威を取り除くため,つまり
「七英雄からの解放」を大義名分にして他国を侵略・併合していく!
えげつねェ。

バレンヌ帝国にしてみれば,世界征服の邪魔になるから
(他国進出のいい口実になってくれるから)七英雄を倒していくという,この潔さときたら。
他国の君主にこのことを面と向かって指摘されるやいなや,
口封じとばかりに真正面から攻め立てたりして,素晴らしすぎる。



で,一方,プレイヤーとしては(もしかしたらバレンヌ帝国にとっても)
「七英雄とは何者なのか?」という疑問が生じてくる。
ここに目を向けたとき,ロマサガ2の世界の奥深さに気づかされることになるんよ。









今をさかのぼること数千年前,現代では「古代人」と呼ばれる種族が世界を支配していた。
彼らは優れた技術を持ち,現生人類を奴隷として使役していた。
その技術の中には「同化の法」と呼ばれるものがあって,
古代人は,己の体が寿命を迎えると,奴隷の体に魂を馴染ませて,
つまり奴隷の体を乗っ取って永遠に生き続ける
ことができた。

ただ,この「同化の法」,準備に時間がかかるのかなんなのか分からないけど,
おそらく病死や老死は回避できても,突発的な事故死には対応できなかったみたい。
だから,古代人は自分たちに事故死をもたらすもの…
強大なモンスターの存在に頭を悩ませていた。

そこで,古代人の中のワグナスとノエルという,2人の義士が立ち上がる。
2人は,「同化の法」を進化させて,逆にモンスターの体,能力を乗っ取ることに成功した。
だけど,臆病な古代人たちの中で2人に協力するものは少なかったので,
しかたなく身内(ワグナスの従兄弟スービエ,ノエルの妹ロックブーケ)と
アウトロー(乱暴者のダンターグ,ずる賢いボクオーン,嫌われ者のクジンシー)
で固めた7人で出撃,見事モンスターの撃退に成功した。

このときの業績は当時の奴隷,現生人類にも伝わっていて,
「ピンチになったら七英雄がやってきて助けてくれる」という伝説となって現在に至る。

で,世界が平和になったあと,おそらく七英雄の中のアウトロー組が
その対価を求めて政治に干渉しだした様子。
折りしも,そのころ世界に大規模な天変地異が迫っていることを知っており,
次元移動装置を開発して異次元への逃亡を計画していたけ古代人(一般人)は,
「我々はいいです,まずは世界を救った英雄様だけでも生き延びてください」
とかなんとかうまいこと口車に乗せて,七英雄だけをどこか異次元に飛ばしてしまう。

そして,古代人の大部分は,七英雄を実験台にして完成した次元移動装置で
優雅に別の異次元へと旅立っていったのでした。
めでたしめでたし。



それから数千年後。
果たして大規模地殻変動が起こり,古代人たちの活動区域は
地中,海中,砂漠,あるいは雪深い山脈の奥へと追いやられ,
大部分が異次元に移住した彼らは,もはや地上の主ではなくなっていた。
代わって台頭してきたのが,そういったクライシスを気合で乗り越えたかつての奴隷たち。
彼らは地上の覇権を巡って相争っていた。

そこに,(どうやったのか分からないけど)七英雄たちが帰ってくる!
彼らが飛ばされた先があまり快適な場所でなかったのか,
あるいは後から来るはずの大部分の古代人たちが来なかったことに腹を立てたのか,
7人は自分たちが厄介払いされたという怒りに燃えていて,
古代人たちを探し出してフルボッコにしてやろうと彼らを探し始める。
その過程で,八つ当たりされてボロボロにされる現生人類
(七英雄も古代人だから,彼らにしてみれば現生人類はモノ扱い,
 どうなろうと知ったことじゃあないのだ)

そのことを哀れんだのが,この世界に残った古代人・オアイーブ。
彼女は,辺境の小国ながらも野心的で高潔な皇帝・レオンの人柄を見込んで
彼に自分たちの「同化の法」を与える。
(オアイーブがレオンに与えた「同化の法」は,1つの人格が延々他の人間の体を
 乗っ取っていくものではなく,歴代皇帝の技術,記憶が継承されていくもので,
 「伝承法」と呼ばれていた)

こうして,バレンヌ帝国(後々には現生人類全体)と七英雄との戦いが始まった!
Baleine Wars Episode V: The Empire Strikes Back!!(ババーン)



という事情が,まったくもってひっそりと,さりげなく,そして断片的に語られている。
この情報,聞かなくてもクリアできるのだ,というか,意図的に集めないと出てこないのだ。
しかも,上に書いたストーリーも,本編から得られる情報を統合すると
こんな風にも思えますよ,というわしの妄想に過ぎないんだな,これが。

なにせ,情報の発信者の大部分が古代人(七英雄含む)である。
思いっきり渦中の当事者だもの。
お互いに自分の主観100%で話しているので,なにが正しいのか分かったもんじゃない。
神の視点でご丁寧に解説してくれる情報提供者など存在しないのだ
(その立場に最も近い存在として,次元移動装置の守護者,水龍という者もいるにはいる。
 しかし,傍観者であるがゆえに,七英雄と古代人との確執については把握していない,
 つまり真相は知らないのだ)

たとえば,この世界に残った古代人オアイーブ。
彼女は「自分たちは七英雄に殺されてもしかたがない」とかいってるんだけど,
もしその言葉が本心から出たものなら,七英雄がこの世界で戻ってきた時点で
真っ先に彼らの元に走ってごめんなさいしないといけないよね

ところが,彼女がしたことといえば,
自分が扱いやすそうな人間に同化の法という武器を与えただけ。
彼女自身は,世界の果てともいえる忘れられた町でひっそりと暮らしている,
まるで現生人類と七英雄が共倒れするのを待っているかのように
正直,七英雄が古代人の移住先へ復讐しに行かないように見張る
監視役としか思えない,という見方も当然できる。

これには皇帝陛下も思うところがあったみたいで,
オアイーブの住処を発見すると彼女に詰め寄るんだけど,
このときの対応がまた振るってるんだわ。

皇帝 「あんた,私たちを使って七英雄を始末したいだけなんじゃないの?」

(◕‿‿◕)「だって,彼らはその力を僕たちに向けたんだもの。
    実験中の次元移動装置で厄介払いしても仕方ないよね」

皇帝 「ずっと私たちを見守りながら、あなたは何も感じなかったの?
    七英雄がどんなに辛かったか、分かってあげようとしなかったの?」

(◕‿‿◕)「僕も辛いんだけどね?
    今の彼らってただのモンスターだから,
    戻ってきたら僕が真っ先に殺されるだろうし。
    でも,君たちも大変じゃない?
    同化の法なしで七英雄に立ち向かえるのかなあ?
    だったら,僕と契約して世界征服するしかないよね!」

野郎…!
どう見ても古代人の尻拭いです本当にありがとうございました
しかし,バレンヌ皇帝もまた清廉潔白,イノセントな人物でないことはすでに書いたとおり。
現生人類も古代人も七英雄もすべてがどこか後ろめたく,うさんくさい。
だが,それがいい
この人間くささがサガシリーズの魅力(略



さらにいうと,サガシリーズのストーリーの根底には,
運命の超克とでもいうべきテーマが横たわっている。
これは,第1作の魔界塔士サガのテーマが,気まぐれな造物主への反逆だったからで,
以降のシリーズにも形を変えて引き継がれていることが多い。
ロストテクノロジーで作られた箱庭世界の寿命,異世界からの侵略者,
1000年の時を経て復活する邪神,そして死食という世界のシステム自体…。
これらに打ち克ち,主人公たちは生き延びるのだ。
そう,生き延びるだけ。
そこには善も悪もなくて,ただ自分たちが生き延びること,
それ自体が目的のゲームである

そのためには時として手段を選ばない,その逞しさがサガシリーズの(略

運命への反逆。
中二病である。
最高に中二病である。
だが,それがいい

そうした観点で見たとき,つまり
「主人公であるバレンヌ皇帝に死の運命をもたらすものは何か?
 打ち克つべき運命とは何か?」

という見方をしたとき,ロマサガ2の世界はより一層奥深いものになる。



実はこの点,シリーズを通してみると思わぬヒントがあるのだ。
このシリーズ,演出として,運命に打ち克てなかった先人たちという存在が描写される。
まあ,さやかちゃんみたいなもんだ。

第1作の魔界塔士サガは,塔の頂上にあるという楽園を目指すならず者たちの冒険譚だけど,
塔の中には,志半ばにして倒れた先人たちの記録が,
無味乾燥な文字の羅列となって並んでいる部屋がある。

「アーサー‥‥11かい 19-3-21」
「くろう‥‥13かい 50-2-18」
「ハーン‥‥19かい 72-6-14」

主人公たちは,この記録を見て決意を新たにするわけだ。
「こいつらみたいに とちゅうでやられてたまるか!みてろよ。」
と。

サガ2では,秘宝という,この世界のキーアイテムの真の使い方を知らず,
己の欲望のままにこれを乱用して自滅する「新しき神々」という存在があった。

サガ3では,異世界からの侵略者を食い止めるため,
主人公の父親が逆に異世界に潜入して戦死している。
(とかいいながら,脳みそだけになって主人公を援護してくれたり,
 エンディングではひょっこり蘇ってるけど)

ロマサガ3では,死食という運命に翻弄され,
魔王あるいは聖王として生きた2人の「運命の子」がいた。
2人は強大な力を持っていたけど,発生時にあらゆる生命の誕生を阻害する
死食というシステム自体を変えることはできなかった(つまりレールに乗って生きただけ)。



そして,もっとも参考になるのが,ロマサガ1の英雄・ミルザだ。
神々の戦争の末期,光の神々からデスティニーストーンと呼ばれる宝石を授けられた
人間の英雄ミルザは,その力で邪神・サルーインを滅ぼすことに成功する。
しかし,自身はその戦いで命を落としてしまうのだ。
これを哀れんだ光の神々の王エロールは,ミルザの魂を天界に引き上げ,
後に彼は正義の神として神々の仲間入りを果たす。
ギリシア神話のヘラクレスみたいな存在だ。

じゃあミルザ勝ち組じゃんと思う人もいるかもしれないけど,
サガ世界の価値観は生き延びることがすべてなの!
死んで花実は咲かないの!

だから,サルーインの復活を阻止するために主人公たちが決戦に赴くとき,
(正確にはエンディングの最中で)登場人物の一人がこう呟くのだ。

「きっと何かがミルザのときとは違っているはずです」

主人公たちは生きて帰ってきてくれと。
このフラーマの一言で,わしは初めてサガシリーズの根底に流れるテーマと,
運命に打ち克てなかった先人たちという演出の存在に気がついたんだけど,
まあそれはおいておいて。



この点を踏まえると,ロマサガ2でバレンヌ皇帝の宿敵とされている七英雄は,
「打ち克つべき運命」ではなく,「運命に打ち克てなかった先人たち」であることに気づく。

復讐に燃えた七英雄などと上で煽ったけど,
実は全員が全員復讐を考えているわけではないのだ。
辺境に引きこもっていて,皇帝側から戦いを仕掛けない限り無害だったり,
かつての奴隷である現生人類にも礼儀正しく接し,
話し合いに応じて撤退してくれる者までいる!
そういう意味でも,ますます「打ち克つべき運命」といえる存在ではない。

では,七英雄は何に敗れたのか?
そう,それはオアイーブを象徴とした,「(英雄を恐れ,貶める)民衆」である!
「民衆」こそが,主人公たち英雄に死をもたらす運命であり,
七英雄は,彼らに戦いを挑んで負けてしまったのだ。
「いや、勝ったのはあの百姓たちだ」
7人の侍ェ…。



最大のネタバレになるけど,
七英雄を討ち果たし,世界征服を達成した時点で,
バレンヌ帝国は帝政を廃止して共和制に移行する。
それも,おそらくは皇帝側の主導で。
(民衆の側が共和制を求めていた描写はまったくない,
 やがて皇帝が不要となることを見越した軍師の予言はあるけど)

わしはこの展開が長年不思議でならなかった。
だって,共和制がうまく機能するのって,小さなコミュニティの中だけでしょ。
世界帝国でそれをやったら,それぞれの地方が好き勝手言い出して
収拾がつかなくなるんじゃないの?
ローマだって共和制でやりきれなくなって帝政に移行したよね確か?

しかし,ゲームの主人公=バレンヌ帝国最後の皇帝が,
生き延びるためにやったことだと考えると非常にしっくりくる

もちろん,七英雄を倒して役割を終えたと考えた皇帝が自ら退いたと考えることもできる。
それはとても綺麗な終わり方だけど,だからこそ途中経過を見る限り不自然だ
彼らはそんな奇麗事の世界に生きてないし,
この世界の民衆は忠誠を尽くすに足る「よい存在」としては描かれていない。
だからこそ,歴史大河ドラマとして非常に完成度の高い作品になっているわけだけど。

そもそも,七英雄が民衆を害し始めたというのは民衆側の意見であって,
実際に何があったかはプレイヤーには分からない。
もしかしたら,ワグナスとノエルという2人の義士が,
モンスターの再来に備えて民衆に警告しただけかもしれないのだ。
「今回は何とか勝てたけど,自分たちもいつまで戦えるか分からない。
 だから,次はお前たち自身も戦ってくれ」って。
それを疎ましく思った民衆が彼らを追放したというのが真相という可能性だってある。
(怪物を退けるだけの力を持つに至った七英雄の姿は,怪物そのものなのだ。
 他の古代人たちが忌避してもおかしくはない)
なんせ,七英雄と古代人の見解は,「七英雄が疎んじられて追放された」
という点でのみ一致しているだけだから。



バレンヌの歴代皇帝たちは,七英雄との戦いの中で,彼らの真実を知った。
七英雄が自分たちの成れの果てで,いつか自分たちもそうならないとも限らない。
いや,いつか必ずそうなると確信した。
だから,自ら権力の座から離れることで民衆の不興を買わないようにした。
民衆と融和することが運命に打ち克って生き延びることに繋がったんだと
先帝(七英雄)の無念を晴らすって,そういうことだったんだね。

この辺,漢の高祖(劉邦)のメインブレインで多大な功績を上げながら,
報酬をすべて辞退して田舎に引っ込んだ張良のしたたかさを思い出すなァ。
後に劉邦が有力諸侯を粛清しまくっただけに,なんたる慧眼というほかない。



無類の武力を誇る七英雄もバレンヌ皇帝も民衆には勝てなかったっていう
オチをつけて終わるゲームもなかなかすごいよなあ。
他のシリーズだと,だいたい運命に打ち克つ=障害を倒すなのに,
このゲームだけ尻尾巻いて逃げ出して終わるんだものなあ。

そう,このゲームの民衆は最初(古代人)から最後(共和国市民)まで何も変わらない。
相変わらず英雄たちの苦悩を知ることもなく,
彼らの活躍を謳った英雄叙事詩を酒場の娯楽として消費するだけだ。

エンディングの最後,ただ一人,この叙事詩を歌い上げた吟遊詩人だけが,
バレンヌ最後の皇帝だった男(女)に対し,
「あなた方の活躍は忘れられたわけではありませんよ」
という主旨の発言をして去っていく。

このシリーズにおける吟遊詩人は,神々の化身(モチーフ)だ。
だから,人間社会では報われなかったかもしれないけど,
君たちの努力は天が見ていますよ,ということなんだろう。

そして,バレンヌ帝国最後の皇帝の元へ,(おそらくは数十年の時を経て)
苦楽を共にした仲間たちが集い,物語は幕を閉じる。
皇帝と同じ孤独を味わった七英雄なき今,
皇帝の苦悩を理解していたのは彼らだけだったからだ。

なんと寂寥感溢れるエンディングなんだろう。
だが,それがいい



しかし,ここで,まったく違った見解に立つこともできる。
皇帝は英雄になりたいわけではなかった。
民衆の変わらない姿,平和な暮らしを見ることが彼らの夢で,それが叶ったから
目的を達成するための手段であった権力を放棄したに過ぎないと。

そして,民衆の側もそれを理解した。
だから,皇帝を英雄として持ち上げた上で厄介者として突き落とすというような,
無慈悲な扱いはやめて,彼(女)が一人の人間として,
静かな余生を過ごすという選択を受け入れた。

バレンヌ皇帝と帝国市民は,ついに信頼で結ばれることができた。
古代人と七英雄の時代にはできなかったことを成し遂げたのだ。
その根拠は,エンディング中に,まったくもってひっそりと,さりげなく語られる。

ロマサガ2というゲームは,バレンヌ共和国の酒場において,
吟遊詩人が歴代皇帝たちの活躍を歌い上げるという形で始まり,そして終わる。

歌が終わり,客が帰ったあと,かつてのバレンヌ皇帝だけが
一人カウンターで酒をあおっているところへ,若いウェイトレスがこう話しかける。
「もうおしまいですよ!」と。
それに対して,酒場の主人がこういうんだ。
「あ,(その人は)いいんだ」と

民衆はバレンヌ皇帝のことを忘れてなどいない。
ただ,彼(女)の希望に敬意を払って,忘れているように振舞っているだけだ。
それは,いつまでも英雄に頼ったりはしないぞという民衆の決意の表れでもある。

皇帝もそのことを理解していて,このときに発せられた
「もう私は皇帝ではない
 アバロンの人々にも忘れられた,歌の中だけの存在さ」
という自嘲めいた台詞の裏に,「自分を忘れてくれた」
民衆への感謝と敬意を汲み取ることだって,不可能じゃないんだ。

ここに,サンフランシスコ市民とアメリカ皇帝ノートン1世の間にあった
愛情溢れる敬意を見ることだって,不可能じゃないんだ!



ああ,だめだ。
これ書くと涙が出てくる。
七英雄の死も,ルドン高原送りにされた歴代皇帝の死も,
1000年の長きにわたる戦いもすべて無駄ではなかったんだ,
本当によかったね,皇帝陛下。










もう1回書くけど,これはわしの妄想だよ。
そして,そういった妄想の余地を残してくれる懐の深さ,
世界の広さがサガシリーズの魅力なんだ。
今は携帯アプリでも遊べるみたいだし,未プレイの人は一度遊んでみてはどうかな?



ロマンシング サ・ガ2ロマンシング サ・ガ2
(1993/12/10)
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