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2016.11.23 (Wed)

ターミネーター:新起動/ジェニシス

久しぶりにネトゲから解放されて
近所のゲオを覗いてみたんだけど,
ターミネーターの新作が置いてあってビックリだ。

いつの間に出てたのこんなの?
いやあネトゲ廃人も長くやってるとほんとに
社会の流れから取り残されちゃうんですねえ^^;

しかし最近のハリウッドはリブート大好きね。
バットマンにスーパーマンに…ゴーストバスターズもだっけ?
ネタが尽きたのか,予算を食いすぎて
安牌以外狙いづらくなってきているのか…
この辺はゲーム業界と似たり寄ったりなのかもしれないな。



見ましたよ当然,ええ。
スタローンとシュワちゃんが出てくる映画は
必ず見るよう遺伝子に刻み込まれているので。

本作は1と2のリブートというか,カイル・リースが
サラ・コナーを救うべく過去に送り込まれるところを
カイル視点でもう一度描いた作品やね。

先行して過去に送り込まれたT-800を追うべく
カイルがタイムマシンに乗り込んだまではいいけど,
あれっワープする直前に残党のターミネーターが
ジョン・コナーを襲っていたような?!
どうなってしまうんだいったい―というところで1984年。

シュワちゃんとカイルが服を奪うシーンあたりは
原作そのままで旧作のファンはニヤリ必至。
ナイキの靴とかどうやって再現したんだか!

しかしそこはリブート作。
過去に飛んだT-800には老いたT-800が,
カイルにはみんな大好きT-1000が襲いかかる!
そして大型狙撃銃を使いこなすサラ・コナー。

誰が敵で誰が味方なのか?!
わしらの知っているターミネーターじゃない!
うーん掴みは完璧だ!



んでいま全部見終わって一息ついているところ。
さてどう感想をつけたものか。

突然ですがみなさんターミネーターシリーズはどれくらいお好き?
「自分の中では1と2で完結してる」って人,
けっこういるんじゃないかな。

そういう人のために先に申し上げておきますと,本作は
(1と2の根底に流れる圧倒的な絶望感,悲壮感は)ないです。
だって敵のターミネーターあっさりと倒されちゃうんだもん。
最強の敵T-3000もカイルとサラをチンタラ勧誘していたりして
あんまり緊迫感を与えてくるものでもなく。



1はほんと絶望的な戦いだったもんなあ。
ヒロインのサラは典型的なお嬢様って感じだし,
未来から送られてきたカイルも線が細くて頼りなげで。
せめてスーパー光線銃の一つも持ってくればいいのに,
お前そんな裸一貫でなにしに来たんだっていう。

かたや全盛期のシュワちゃんは怖いのなんのって。
銃で撃たれようがタンクローリーで爆破されようが
ピンピンしててどうやってこんなの倒すんだって。
無力な人間と強力なターミネーターの対比が
より一層ドラマを引き立てるというかね。



2は多くの視聴者からターミネーターシリーズの
最高傑作だと考えられているだろうし,いまさら
そこに付け加えるようなこともないだろうけど,
不死身のT-1000がもたらすあの終わりなき
張り詰めた緊張感,メキシコの砂漠の夕焼けに
象徴されるような透き通った絶望感が
なんていうんだもう,美しいといってしまっていいのか。

今は亡き夫カイルへの愛からか,彼の遺言を信じて
たったひとりで人類の未来を変える戦いに身を投じるサラ。
酔って子供を殴ることのないターミネーターは最高の夫だ
という彼女の独白からその半生の壮絶さがにじみ出ている。
リンダ・ハミルトン自体の変貌ぶりがすごくて
とても1のイモネーチャンと同一人物とは思えない。

幼いジョン・コナーを演じるエドワード・ファーロングもこれ以上ない
ハマリ役だったし(レオンのナタリー・ポートマンと双璧!),
ラストの展開もああまとめられちゃったらもうどんな続編も及ばないよなあ。



という具合に旧作への思い入れが強いほど
違和感を覚えるかもしれないけど,今作があえて
味付けを変えているのも意味があるんじゃなかろうか。

どういうことかというと,1とか2のときって
ターミネーターは完全に未知の存在だったわけじゃない。
だから視聴者はなにも知らないサラ・コナーに
感情移入しやすかったと思うんよ。

ところがいまの我々はすでにターミネーターを
知り尽くしているわけで,そこでまた
なにも知らないサラ・コナーが逃げ惑っても,
もういいよ…ってなるかもしれない? じゃない?
要するにもうホラー映画としては撮れない。



だから今作は立場を逆転させた。
なんかどうも誰かがサラ・コナーの幼年時代に
T-800(2で味方だった機体)を送り込んだらしくて,
彼女は未来の出来事を知った上で準備万端で
1984年の戦いに臨んでいるんだよね今回。
むしろ未来から送られてきたカイルのほうが
そのことを知らなくて泡食っているという。

その辺も視聴者の目線と登場人物の
目線を合わせるための演出だと思えば,
そこまでおかしくはないのかなって。

逆にまったく新しい展開に驚く視聴者は
今作ではカイルに感情移入することになるんだろう。
自分の知ってる過去じゃない! って。



加えて今回のサラ・コナーはやたらと美人で
「あたしもやればできるんだからばかにしないでよフン!」
みたいな勝ち気でどことなく甘えが
垣間見えるような性格になっているんだけど,
それも幼少期からずっとT-800に守られていたという
設定の変更から考えれば自然な流れかなという気もする。
あんまり悲壮感がないのも当然で,
彼女は心強いおじさんに守られていたわけだから。

そして肝心要のT-800はといえば,
「もう合体したのか? 合体したのか? としつこく聞いて娘にうざがられる」
「敵の内情を探るべくサイバーダイン社で働いていたがクビになった」
などなど残念エピソードあふれるダメ親父に。
お父さんそれ思春期の娘に一番やっちゃいけないやつやあああ!!

映画館で見なくてよかったわこんなん…。
見てたら一人で大爆笑して雰囲気ぶち壊してたわ。



そんなターミネーター見たくなかった?
いやいやお客さん,そもそも同じ登場人物に異なる役割,
意義が与えられているという手法は2で確立された
このシリーズのお家芸なわけで,そういう意味では
本作こそまさにターミネーターの正統後継作!

ターミネーターシリーズの流儀に倣えばこそ,
前作と同じ設定にしてはならないんですよ!

ホラーからアクションへ,そしてアクションからコメディへと
手を変え品を変え同じ話を繰り返す,これこそが
歴史改変モノの妙味ってもんでさあ!

Old, but not obsolete.(古いが,ポンコツではない)
という本作の決め台詞も,老いたシュワちゃん
ひいては90年代の遺物と化したこのシリーズが放つ
渾身の自虐ジョークなわけでもう涙なしには見られない。
ポンコツだろこの!



一方で割を食っているのがストーリー展開で,
ゆでたまごが原作なのかってくらいガバガバ。
野暮なツッコミで大いに楽しめる。

タイムマシンに2人乗れるなら最初から
人間側も機械側も団体で押しかけてこいよ! とか
1997年と2017年でタイムスリップの行き先揉めるくらいなら
子作りでもしながらそのまま30年待てばいいんじゃないですかね…とか
その辺のスピーカーのコイル巻きつけてパンチしただけで
やられる最強ターミネーターってなんだよ…とか。
でもキン肉マンで鍛えられたお前らはそんな細かいことは気にしないよな!

個人的にはあのダイソンさんが無事存命していて
サイバーダイン社のCEOになっているのを見られただけで満足。
最後サイバーダイン社木っ端微塵に吹っ飛んでたけど…
やっぱり不幸の星の下に生まれているのかもしれない。



そんなわけでね,本作は旧作のファンのために
作られたといっても過言ではない。
なぜならリブートに見せかけた続編だから!

1から4までに歴史改変を前提に,それよりさらに
以前の地点から歴史改変を行ったことでまったく
新しい物語になった…という構造なのが本作(たぶん)。

"There is no fate but what we make for ourselves."
シリーズを貫くこのコンセプトは健在で,
かつては歴史がどのように変えられるのか
一喜一憂していた我々は,今度は歴史が
どこまで変わらないのか一喜一憂することになったのだ。

だからこそ1・2最高! っていう人ほど絶対見たほうがいいよ!
本作は1と2の偉大さを再認識させてくれる最高のセッターだ!

気に食わないことがあったらこのDVDを
叩き割ってもう一度1と2を見直そう! そして叫ぼう
"There is no new work but what Cameron made !"

未来の刺客から美しい過去の思い出を
守るための孤独な戦いがいま始まる。
サラ・コナーはキミだ!



そこまで思い入れがない方はノンストップアクション
コメディホームドラマとしてお楽しみいただけます。

テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

20:01  |  映画  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

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