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2012.09.15 (Sat)

初代FFのAndroid移植版レビューに思う

まずはこちらの記事をご覧いただきたい。

【今週の人柱】800円!初代FFのAndroid移植版が不親切過ぎて、ある意味ゲームの進歩を感じた件

さて,みなさんのご感想やいかに。
「ゆとり乙」だろうか。
それとも
「この記事の筆者のように(従来の)ゲームと縁もゆかりもない人間が
 社会の多数派を占めている現状を踏まえて,ゲーム会社は
 これらの新規層に訴求するようなマーケティングを行うべき」
だろうか。

心ある人が見れば,後者のような結論を導き出すことが
有意義であるように思えるかもしれない。
ハイ残念ッ!!
実際には,「ゆとり乙」こそが今のゲーム業界では重要なのだ。
その理由を今から説明しよう!



そもそも,(コンシューマー)ゲームって万人にとって魅力的なものだろうか?
ファミコンに端を発するコンシューマーゲームの隆盛の一因として,
主要なターゲット層である全国のチビッコたちにとって
ファミコンの対抗馬となりうる娯楽がなかった
という点が挙げられるのではなかろうか。
(ここでいうファミコンとは,コンシューマーゲーム機一般の総称であり,
 PCエンジンやメガドライブやファミコンの足元にも及ばなかったという趣旨の発言ではない。
 ので,どちらのファンもいい加減安らかに成仏してください)



わしのようにゲームがないと生きていけないというようなアレはごく少数で,
コンシューマーゲームの黄金期においても,

・ 他に娯楽もないからゲームで遊んでいた
・ それほどゲームには興味はないけど,
  友達がみんなゲームで遊んでいるから
  付き合いとしてゲームを買っていた

という層(これをライトユーザーと呼ぼう)が
かなりの部分を占めていたのではないだろうか!?

この予測はそれほど的外れではないと思っている。
だって,みんなもうFF2の話しないんだもの。
本当にゲームが好きなら,一生かけてゲームで遊べるよね。
わしとFF2の話をしようよ,さあ!




…話を戻す。
要するに,
「本来的なコンシューマーゲームのメインターゲット層はそれほど多くはない」
んじゃないかということが言いたいんよ。
それに加えて,

「すでにコンシューマーゲーム業界自体が成熟期ないしは衰退期にあること」
(ファミコン時代は数人のチームが適当に2~3ヶ月くらいで
 作ったソフトが何十万本という単位で売れたし,
 FF6なんか定価11,400円にもかかわらず250万本以上売れた。
 今のゲーム業界は,全体の売上は以前よりあったとしても,
 商売的なうまみは以前とは比べ物にならないだろう)

「携帯・スマホという強力な対抗馬が存在すること」
(携帯・スマホもゲームできるけど,ここでは
 ネット・コミュニケーションツールという意味合いで。
 暇つぶしの手段ならいくらでもあるのに,
 わざわざ高い金出してゲームで遊ばないでしょ)

を考慮すれば,
この記事の筆者のようにゲームにそれほど強い思い入れもなく,
Aボタン=決定,Bボタン=キャンセルという洗礼すら受けていない層に
ゲームに対する興味を持たせ,これまでの文化を刷り込み,
数十年かけて熱心な顧客に仕立てあげるという戦略は
メーカーにとって相当リスクが高いのではないだろうか。




はっきりいって,30年前のファミコンの時代は運がよかったんだよ。
環境に恵まれてた。
けれど,ネットが普及し,個人の趣味嗜好が極めて多様化した現在,
もはや「国民的ブーム」という存在は現れないだろう
まさに国民的の名を冠するAKB48や韓流ブームなどが
実際には一部の熱心なファンをターゲットにした
ニッチ商売以外の何物でもないことからもそれは確定的に明らか。

もうゲーム業界にライトユーザーを引きつけるだけの
外因的アドバンテージはない。
ゲーム業界自体のブームは過ぎ去ってるし,社会構造の変化で
そもそもブームという現象自体が起きにくくなっている。
もちろん,実際には現在でもマリオ,ドラクエ,FF,
モンハンといったキラータイトルは存在するけど,
やがては憑き物が落ちていくだろう。

であるならば,ゲーム業界も,
「新規層を呼び込んで売上をガンガン伸ばそう」とか
「万人に受けるゲームを作ろう」とか
「国民的大ヒットを目指そう」という
幻想(ファイナルファンタジーだけに)は捨てて,
自分たちの業界と親和性の高い顧客に特化したニッチ商売に徹するのが
時流に見合ったビジネスモデルといえる

つまり,上の記事を「ゆとり乙」で切り捨てるような層
(これをヘビーユーザーと呼ぼう)に狙いを定めて商売するのが正しい。


なぜなら,彼らはバカ高い費用をかけてテレビで宣伝しなくても
勝手に商品を買ってくれるし(下手したらユーザー自身が宣伝を始めるレベル),
数こそ少ないものの,どんな時代でも確実に一定数はいると思われるしで,
きわめて上客といえるからだ。

わしなんか,魔界塔士サガ~サガ3SOLまでの
全サガシリーズを一本化して3DSかなんかに移植してくれたら
100万くらい出しても構わない
と思ってるんだけど,
同じことを考える変人が日本にあと1000人もいれば,
1000円のアプリを100万本売るのと同じ市場規模になるわけで。



何の話だっけか。
そうそう,現在ゲームにそれほど興味を持っていない層(一般層と呼ぼう)を
ゲームの世界に引きずり込もうとする努力の何がリスキーかっていうと,
「一般層に対するアピールをしてもどれほどの効果があるのか分からない上に
 (成熟期・衰退期の業界において新規層の獲得に出るのはリスクが高い上に),
 過剰なチュートリアル,難易度の低下といった”迎合”によって,
 本来的な顧客であるヘビーユーザーからもソッポを向かれるという
 ”老舗のジレンマ”に陥る可能性がある」
ってところじゃないかな。

そして,正直なところ,任天堂,カプコン,スクエニとかの最大手でもない限り
ヘビーユーザー層にソッポ向かれたら終わり
=新規層にアピールするゲームを作るだけの体力はないだろうし,
最大手は新しいことにチャレンジする度胸ないでしょ(※)。
リメイクと続編のオンパレードだし。

そんなわけで,ヘビーユーザーの意向を聞かないゲーム業界に未来はにぃ。
「ゆとり乙」こそが正義なのだ!!




さて,ここらでまとめると。

・ ファミコン時代の業界の盛り上がりぶりは
  黎明期・成長期特有の一時的なバブルにすぎないんじゃないの
・ もともとニッチな業界だから,今後も細々とやっていけばいいんじゃないの
・ かつての隆盛を取り戻そうと一般層に打って出るとか夢からサメナサーイ
  現在のユーザー層まで逃げていきますよー
・ だから,このFF1のアプリで音を上げる層はハナから相手にするな
 

ということがいいたかった。
以上,えか・ゆとり乙・ヘビーユーザーによる自己弁護でした。



あ。
「筆者のように(従来の)ゲームと縁もゆかりもない人間が
 社会の多数派を占めている現状を踏まえて,ゲーム会社は
 これらの新規層に訴求するようなマーケティングを行うべき」

というスタンスの重要性については,わざわざ書かなくてもみんな分かってると思うけど,
ガチで「ゆとり乙」という感想しか抱けない人がいた場合に備えて一応説明しておくと,
「新規層を取り込まなければゲーム業界は尻すぼみになってしまう」んだよ。

それの何が悪いかっていうと,
業界の市場規模の縮小→メーカーに体力がなくなる→
ゲームの本数が減る上にどっかで見たような安全牌ゲームしか出なくなる→
飽きる→終焉
という流れになってしまうこと。
われわれヘビーユーザー層にとってもいいことは何もないのだ。

すぐ上でゲーム業界はニッチ商売が本来の姿(キリッ とか言ってたのに
なに態度を豹変してるんだと言われるかもしれないけど,
あれはそういったビジネススタイルもあると考えられるので,
ヘビーユーザー層を切り捨てるのは待ってください,
という必死の抵抗なんだよ!!



でも,今後のゲーム業界のことを考えるなら,
従来のヘビーユーザー層の意向はバッサリ切って
まったく新しい層から需要を掘り起こしてこないといけない。

かつてオーディオマニアというヘビーユーザー層の意向を
バッサリ切ってラジカセが生まれ,音響機器業界が息を吹き返したように。

特に,現状を見るだにゲーム業界はタコツボ化が相当程度進んでいて,
終焉への道のりを順調に歩んでいるように思えなくもないので,
上の記事のような新規層の,奇譚のない意見をガンガン取り入れて,
コロンブスの卵的な発想の転換をしていったほうがいいんじゃないかな。
(記事の内容にあるとおり,スマホのアプリにファミコン時代の十字キー操作を
 そのままベタ移植したんだとしたら,さしものわしも擁護しきれんぞ。
 何も考えてないという意味では,メタルサーガ鋼の季節と同じレベルの悲劇。
 というより,ベタ移植したスクエニの制作陣こそゆとり乙だよ!
 手抜きしないでちゃんと1からリメイクしなよ!)

ということは,理性では分かる。
分かるんだよ。
しかし,
そういったパラダイムシフトによって
切り捨てられる側の立場の人間としては,
もっとやれとは言いづらいものがあるの。
この複雑な乙女心,お分かりいただけますでしょうか。


とはいえ,ゲームの未来のためならば致し方なし。
どうぞヘビーユーザー層はバッサリやっておくんなまし。
わしはFF2と心中しますんで,新規層の皆さんは
新しいゲームとともに業界を盛り立てていってください。
1985年から2000年までのゲーム業界は
わしらが牽引していったと自負しております。
あとは若い世代にお任せします。


まあ,実際には,いろんな層に訴求する多様なジャンルのゲームが
あふれているのが一番いいんだろうけどね。










※ 皆さんも御存知だろうけど,任天堂がWiiとDSを作ったのは,
  まさに「ゲームの複雑化=ヘビーユーザー重視」の傾向を憂慮し,
  新機軸の確立を図るため。
  他のメーカーさんも実際には色々とチャレンジしてる。
  ただ,ゲーム機自体の性能が上がり,
  ソフトの開発費が高騰していくにしたがって,
  気軽に挑戦するのが難しくなっているのは間違いなさそう。
  開発費の高騰は,間違いなくゲーム業界のタコツボ化進行の一因だろう。

テーマ : レビュー・感想 - ジャンル : ゲーム

01:09  |  未分類  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

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