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2014.07.01 (Tue)

廃人日記

なぜわしが電話認証を蛇蝎のごとく忌み嫌うのか。
それはみなさんにとってはどうでもいいことだろうし,
合理的な思考回路を経て出てきた結論とはおよそ
言いがたいものであろうから,聞いても首を傾げるに違いない。



物心ついたときから,わしはわしだった。
にんげんおとことにんげんおんなはどちらが有能か,
エスパーマンとエスパーギャルが覚える特殊能力に違いはあるか,
使えるモンスターはいないか。
関心が向くのはゲームと漫画だけだった。

その対象がロマンシングサガ2になったころ,
周囲の人間とは意思疎通がまったくできなくなっていた。
彼らの話す「他愛もない話題」がわしには
まったく理解できなかった(向こうにとってもそうだろう)。

だが,そのことすらも気にならなかった。
ゲームの世界への探究心はいよいよ深く,
時間はいくらあっても足りなかったからだ。
わしにとって「現実」とは,わしとゲームの間を裂こうとする
障害でしかなかった…それは今も変わっていないが。



そして大学生になったころ,ネットが一般化し始めた。
この衝撃は生涯忘れることがないだろう。
電源技,回避率,三拠点制覇,4000年プレイ,宵闇のローブ(偽)。
わしなど及びもつかぬ深さで,考えたこともない角度で,
ゲームを愛する人間がこんなにもいたとは!
会話の通じる同志が存在したとは!
こここそが自分の生きる世界だと確信した。

それから十数年が経った。
すでに我々ナードのアジールたるネットは
完全に「現実」に押しつぶされてしまった。
SNS,ツイッター,Facebook,LINE…。
いまやネットは -かつてアングラの巣窟とされていた
2ちゃんやニコ動ですら- 「彼ら」のものだ。

現実の氏名,現実の人間関係,現実の論理を
ネットに持ち込んだこれらのツール,これらの価値観の台頭で,
「非現実」の存在である我々は再び駆逐されていくだろう。
みなが愛したROも,効率とクジパッケ…時間と金という
「現実」の論理の侵食によって荒廃していった。
では,唯一の拠り所を失った我々はどこへ行けばいいのだ?



「ゲームをやり過ぎた人間はゲームと現実の区別がつかなくなる」
などという言説もあるが,現実と妄想の区別がつかないのは
そのような妄言を信じる人間だけであろう。

現実と非現実は決して交わらないということを,
我々は誰よりも痛切に理解している。
だからこそ我々は非現実を必要としているのだ。
だからこそ現実が非現実を侵食していくこの時代の流れが恐ろしいのだ。
匿名と,不正義と,狂気の存在を許さない世界は,ひどく息苦しい。



わしにとって,電話認証登録は現実からの侵食の象徴だ。
確かにそれ自体は10秒とかからず終わるだろう。
だが,その背後に潜むものがもたらす痛みに,これ以上は耐えられない。
それは,わしの存在自体を脅かしかねない根源的な恐怖なのだ。
ならばいっそネットから離れて,河津ゲーの世界へ戻ろう…そう考えている。
それもまた悪くない暮らしだろう。

しかし,現実では決してありえなかったであろう
同志との出会いは,これまでにない喜びをもたらした。
技術革新が人に幸福をもたらす,人間の善意の
もっともプリミティブなかたちをあのときネットに
見出したのは妄想などではないと,今でも思っている。
その輝きは暗闇をひとり歩いてきた我々にはあまりにも温かすぎた。
いつの間にか,この温もりは断ちがたいものになってしまった。



お前は頭がおかしいとみなさんはおっしゃるかもしれない。
電話などいつも使っているだろうと。
そのとおりだ。
わしは頭がおかしい。
だが,それでも生きている。

世の中には,妄想の中でしか生きられない人間もいる。
それを理解してほしいわけではない,そっとしておいてくれ。
そのほんの些細な希望を,「現実」にいる者が
大手を振って荒らすようなことはやめてくれ。
我々の居場所を奪わないでくれ。



「何をやってもダメなオレ、ラグナロクオンラインではどんな任務も即クリア!」
ユーザーをコケにしたかのようなROの広告が
世間の耳目を集めたとき,わしは歓喜した。
ガンホーこそが我々のための会社だと。
「キチガイどもはうちにこい,面倒みてやる」
かつてこれほど正直で,心優しい企業が存在しただろうか。

どんな企業も,自分と自分の商品がいかに消費者と社会にとって有益であるか,
美辞麗句を並べ立てるが,「黙って買え」という本音は決して口にしない。
ガンホーは違う。
自分と自分の商品がいかに凶悪で反社会的で
価値のないものであるか,身銭を切って喧伝した。
露骨な搾取体制を隠そうともしなかった。
そのうえで来たいやつは来いという。
その誠実さに涙が出そうだった。

いまのガンホーにとっては我々の上納金などはした金だろうが,
できることなら今後もキチガイのための会社であってほしい。
我々のことは人間扱いしなくていい,
代わりに「現実」をいっさい近づけないでくれ。
この病気の癌畜を哀れんでくれ。



ところで,ASSの発動率が3倍になる頭下段装備はまだですかね?
00:41  |  未分類  |  トラックバック(0)  |  コメント(10)

Comment

その下段装備、いくらですか?
ほぅ…3万円だと…?
2つ下さい。
夏姫 |  2014.07.01(火) 11:04 | URL |  【編集】

時代と共にツールが変わりゆくのが激しいですね。

人間と娯楽は切っても切り離せないものですねー。

その姿形を変えながらも、今でも花札やトランプがあるってことは、優れたゲームを愛し続ける人がいる証拠ではないでしょうか。

えかさんは頭がおかしいって事は絶対に無いですね。
人よりも優れた文章を書く才能、そして客観的に物事を見る目、心、人の感情の表と裏を同時に感じる事ができる素晴らしい人やと思います。

才能溢れるえかさんが頭おかしいとおっしゃるなら、頭おかしくない人の定義ってのはわからなくなりますよ!!
おかしい=可笑しいなら全然良いと思いますが。

泣いても笑っても、何に夢中になろうが何に時間を使おうが、自分が楽しいって思える事に時間を使える事は幸せな事やと思いますよ!!!!

ロマ2の開発術技道場禁止でクリアのサイト見た時は感動やったなぁ!!!
イスタンコ |  2014.07.01(火) 23:14 | URL |  【編集】

なるほどねー。いや共感できるところもありなかなか面白い話でした。
いろいろ私も当時を思い出したよ。ドリームキャストでネットやってたわとかPC手にしてからもCGIチャットに明け暮れてたとかw
そしてROとの出会い。2chの本スレみながらやるのがひたすら楽しかったなー。
私にとって社会復帰出来たのはネットのおかげだったな。(犯罪者ではないよw)
そして今の一般に普及したネット社会。確かに現実に近くなったねぇ。
でもライトな層はやっぱりライトなのでほっときゃいいんでないの?とも思う。
電話認証を嫌がる理由はよくわかりました。
でもまー何故電話認証?とは導入時思ったが必要なんでしょうな。
ガンホーが撤回するのはないだろうなぁ。
源吉 |  2014.07.02(水) 11:35 | URL |  【編集】

夏姫さんこんばんは。
ほんまにROユーザーの鑑やな!
弓狩セットみたいにゲーム内で実装してくれもええんやで。





イスタンコさんこんばんは。
そのまっすぐさがわしには眩しすぎる。

社会が誰を狂人として扱うかは構成員同士の力関係で決まるもので,能力の有無に必ずしも左右されるものではない。
って七英雄がいってました。

イスタンコさんにお褒めいただいたような力があったとしても,社会の異分子であることは否みがたく…。
わしは石の下のダンゴムシのように静かに暮らしたいだけなんです。
だからブリライトと戯れるのが好きなのかもしれない。





源吉さんこんばんは。
わしも全盛期は本スレを一通り見ながらプレイしてましたな。
1日3時間前後はROに関わっていたかもしれない。

別にわしはツイッターやLINEの流行が怖いわけではなくて,それに伴って現実の犯罪や規制がネットに入り込んでくるのが怖いんだ。
わしらのようなうさんくさい存在が受け入れられるグレーゾーンというか,自由な空気というものが失われるのがね。

連日報道されているニコニコ動画なんかの不正アクセスのニュースを見るだに,ガンホーが打った手は先見の明があるものと評価されると思う。
ただ,さらに先を見据えると,ゲームの情報より顧客の個人情報保護が優先される社会が近いうちにやってくるだろうから,個人情報の収集はやめておけというのがわしの理性的な意見。
感情的な意見では電話なんていう現実の存在をゲームに持ち込まないでくれってだけ。
えか |  2014.07.02(水) 22:33 | URL |  【編集】

こんにちは始めまして。aiharaと申します。

若干、いや結構論旨とはズレますが思う所あって思わずコメント致しました。

ネット自体がまだアングラなツールだった頃に、ネットを居場所だと思っていました。
ネトゲも今とは比べ物にならないくらい変人奇人がいて、アングラ感が漂って。そこで出会う人は運命共同体のような共犯者みたいな感覚だった気がします。

それは特に深い考えはなくて、いわゆる厨2的な意識で感じただけかもしれません。
が、現実がどんどん侵食してきた時の感覚は確かにあったことを思い出しました。

一番初めに感じたのはmidiが一斉にネットから消えた事件。midiを集めるのをライフワークにしていましたが、著作権云々で一斉に取り締まられ、あっという間に廃れました。
今も名高いJASRACによるものですが、現実が攻めてきたんだと感じた出来事でした。

その後、現実のメディアでネットが語られる度に居場所感は薄れていき、現実がネットを侵食したのか、ネットが現実を侵食したのか、今ではよくわからない。
とにかくお互いの侵食は終わったような気持ちでいました。

たまにその頃の気持を思い出しては、時代は変わったんだな…と受け入れる。
私にとっては電話認証もそんな感覚で受け入れたものでした。
aihara |  2014.07.03(木) 14:20 | URL |  【編集】

aiharaさんこんばんは,はじめまして。
お噂はかねがね。

お話をお伺いするだに,この十数年,aiharaさんも同じような流れを体験してこられたようですね。
たしかに,当時のネットはまったく異質な人間同士が出会うこともある「異空間」でしたが,同時に同じネットの住人なんだという奇妙な連帯感もありました。

midi懐かしい。
演奏側のPC音源で音色が変わるんですよね,あれ。
こだわりがある作り手は「○○音源推奨」みたいにいってましたな。

わしは完全にネット側の住人なので「現実が侵攻してきた」という認識なのですが,現実の住人たとえば政治,マスメディアや流通小売などの人にとっては完全に「ネットが侵攻してきた」だったでしょう。
混じりあっていったんですね。

わしは「何も終わっちゃいない! 何も!」と1人ランボー状態なのでこの流れについていくことはないでしょうが,aiharaさんが -多くの人がそうであるように- 時代の流れを受け入れられたのはなによりです。
どうかわしに代わってROの最期を見届けてやってください。
えか |  2014.07.04(金) 20:10 | URL |  【編集】

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 |  2014.07.05(土) 00:22 |  |  【編集】

Qeemaさんこんばんは,はじめまして。
もとより人にお見せできるような内容ではないですが,勢い余って公開してしまった以上好きにいじってやってください。
それより猪に襲われることってあるんですね。
えか |  2014.07.05(土) 22:09 | URL |  【編集】

えかさん ありがとうございます

猪の件ですが実際は登山客の子供さんがたくさんいて、かなり緊迫した状況でしたw
まあ、被害にあったのは僕だけだったんで良かったのかなと・・

では、これからも更新楽しみにしてます!
Qeema |  2014.07.06(日) 00:26 | URL |  【編集】

Qeemaさんこんばんは。
そいつぁボス戦でしたな。
メタルマックスだったらお尋ね者との戦いがかかってましたわ。
登山道にまで降りてくることがあるんですなあ。
えか |  2014.07.06(日) 20:20 | URL |  【編集】

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