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2015.05.01 (Fri)

The Ranger Is an Innocent Mistress

現在,弓手に対する評価は「強職」,「パーティ必須職」であろう。
アローストームのあまりの強さゆえに,その弱体化を望む声すらある。
であるならば,その強さいかほどのものか見極めようというのが今月の目的であった。



弓手もまたなんとも数奇な運命を辿ってきた職種である。
正式サービス開始直後の役割は,
時計3で数を頼んで固定砲台になることだった。
タクティクスオウガと見間違わんばかりの,
全体無敵バリア時代のキリエと自動鷹を併用した
狩狩狩狩狩狩狩狩聖聖聖聖(鍛)こそが
レベリングの最適解と大真面目に論じられていた時代だった。

その後自動鷹が死ぬと,ソロ~ペアとしての長い活動が始まった。
ある者はSP回復公式の変更とともに現れた福音の地,
亀地上の主となり,転生オーラまでそこに篭もり続ける日々を送った。
ある者は特化装備を揃え,同じく好事家の聖職者とともに古城の覇者となった。
罠を極めて,古代の守護者がひしめくジュピロスを駆け抜ける者もいた。



転生職とその専用狩場である棚,アビス,狭間が実装されると,
弓手には大人数パーティの範囲火力という新たな役割が与えられた。
セル単位での正確な配置を求められるこの面倒な狩は
しかし大いに流行を見せ,彼女らの栄華は長く名無しが実装されるまで続いた。

魔法火力優位の名無しでは弓手は不利だったが,一方で
技術を高めて最難関ダンジョンである生体3に活路を見出すこともできた。
数多くの職が多様な狩場で多様な役割を楽しむことができたこのR化直前期は,
弓手にとってもそれ以外の職にとってもまさに狩の黄金期だったといえよう。



三次職実装後,弓手は再びソロに戻っていった。
大人数パーティの火力役は「取得経験値を直接増やす」
という禁じ手を持つ拳聖が独占していたからだ。

高ASPDに魅了され,ビフ北で素撃ちに興じるパッシブ型と,
そしてあいかわらず生体その他の高レベルダンジョンに
引きこもっていたわずかな上級層を除いて,
弓手の多くはレンジャーになるまでブラゴレを解体し,
その後は吸収装備に身を包んでFiTであらゆる敵を爆殺していた。
幸か不幸かそれは彼女らに十分な稼ぎをもたらした…
従前の予想どおり,R化はソロの流行を加速させた。



その流れに危機感を覚えた運営が実施したRRは,
弓手を再び大人数パーティの範囲火力に押し上げた。
大幅に強化されたアローストームは,FD5で,棚で,ごつミノで,
ビフ,ブワヤ,そして高レベルのメモリアルダンジョンで
唯一無二の地位を確立してきた。
R末期の病院を最後に大人数パーティ火力から転落した
WLとは対照的に,弓手は今我が世の春を謳歌している…。



現在だけを切り取ってみれば,なるほど
弓手の躍進は異常といってもよいだろう。
だが,弓手に大人数パーティ需要があったのは,
実質的に正式サービス開始~コモド実装(自動鷹・全体キリエ修正)前,
R前の棚実装後~名無し実装前,R後期の棚,FD5再調整後~現在の3期だけである。

それ以外の長い期間,彼女らはソロか少人数での狩を余儀なくされていた。
特に名無し実装後~ガーデン全盛期の困窮ぶりは
傍から見ていてあまりにも哀れであった。
バンシーを強化してその処理枠に弓手を採用するような
流れにならないものか…そう魔職に思わせるほどに。

長らく弓手一筋で生きてきたユーザーが現在の栄光を
死守しようとしたとて,誰がそれを責められようか。



ROは横軸(同時代性)においてではなく,
縦軸(連続性)においてバランスをとる傾向にある。
完成よりも変化を重視するといってもよい。
あるいは,バランスよりも差異化を。

それをユーザーに飽きられないようにするための努力と評価するか,
課金装備の販売機会を創出するため,意図的にバランスを崩し続けていると
穿った見方をするかは見る者の心の美しさによるだろうが,
10年を超えてサービスを続けるこのゲームが洗練から
ほど遠い要因の1つにこの点を挙げることもできなくはないだろう。

そのような手法にどれだけの効果があるのかは別として,
少なくとも運営があえてそうしている節が見て取れるのは間違いない。



では,実際に弓手はどのくらいの強さがあるのか?
結論からいえば「環境による」としかいいようがない。

もちろん彼女らが弱職の汚名からほど遠いことは間違いないものの,
ソロや少人数パーティの場合,厳しい重量制限と薄い装甲,
長いディレイが仇となってそこまで大暴れはできない。
HPSP吸収装備があれば話は別だが,それは他職も同じことであり,
弓手だけがアドバンテージを発揮できるものではない。
むしろ矢の数量制限があるだけ不利ともいえる。

チマチマと敵をアンクルに嵌める狩は一方的ではあるが爽快感に欠け,
場所によってはその稼ぎがASS影葱にも劣ることがあるかもしれない。
必殺のアローストームも3秒のディレイに阻まれて,
燃費はともかくBBとIBを織り交ぜて乱打できるRKのDPSにはかなわない。

RRは少人数パーティの時代になると踏んでいた運営からすれば,
この状態でバランスが取れているという判断になったとしてもおかしくはないだろう。



あえて運営の肩を持つのであれば,
少人数パーティで動かすレンジャーの楽しさは格別である。
火力を担うにせよ,少人数パーティにおけるアローストームは
連射が効かないので打ちどころを適切に見極める必要があり,
敵の必要ヒット,DEFに応じて鷹と狼を使い分ける楽しみもある。

緊急時にアンクルやエレクトリックショッカーでパーティの安全を一手に
引き受けることになるのは責任も伴うが,やりがいのある仕事でもある。

生体上層や深淵,ごつミノといった強敵を相手にしたときは,
属性変換罠でバッファを担う選択肢も十分に合理的だといえる。
同じ後衛職であるWLにとって最良のペア候補は,皮肉にも
高レベルの聖闇属性を無効化できるレンジャーなのかもしれない。

大人数パーティでの火力役ばかりが取り沙汰されるレンジャーではあるが,
そのリソースは少人数パーティに向けて調整されたものが多いともいえよう。



たしかに,大人数パーティという名の社交界では彼女らは化ける。
ブラギの詩,ソウルチェンジ,ストライキング,アスペルシオ,オラティオ,エクスピアティオ,
そして自前のアンリミットで強化された弓手のDPSは通常時の数十倍に跳ね上がる。

HPが何千万とある一部のMVPやメモリアルダンジョンのボス相手には,
実質的に強化アローストームでしか立ち向かえないという現実はあるだろう。
レベリングがアローストームだけで済んでしまうのもまた否定できない事実ではある。
だが,それは彼女らの罪なのだろうか?



かつてはパートナーとともに縦横無尽に
狩場を駆け回っていた聖職者を地に縛りつけ,
単調な流れ作業に落としこんでいるのは何の仕業なのか。

他職がMATK半減という激流に飲み込まれ,
三次職スキルの使用を余儀なくされていく中で,
だた唯一の二次職/転生職スキルをもって
パーティの要となっている者は誰なのか。

バランス崩壊の中心にあるものは何なのか。
我々はよく考えなければならないだろう。
2530.jpg



とはいえ,仮に誰かしらの「犯人」をでっち上げたとしても,
「彼らの特権を剥げば問題は解決するのか?」という
これまた根本的な問題から逃れることはできないだろう。
2年前の悲劇を覚えているユーザーはにわかには首肯しづらいのではないか。
特に,「犯人」のいくらかは大人数パーティでしか
生きていけない「か弱い」存在でもあるからだ。

運営の杜撰な調整を怒る同志の気持ちは分からないでもない。
だが,久方ぶりの出番を満喫している彼女らと喜びを共にし,
運営の成長を温かく見守るくらいの度量があったほうが
あるいはこのゲームを楽しめることになるのかもしれない。
なにしろ,ROはまだ百歳にもなってないのだから。
2531.jpg

テーマ : ラグナロクオンライン - ジャンル : オンラインゲーム

20:15  |  ブレイザブリク  |  トラックバック(0)  |  コメント(7)

Comment

そう言われてみると、確かに弓手がバリバリPT火力だった時間って、
実は少ないよねぇ。

印象に残ってるのは重量とSPのキツさだなあ。
1時間といわず2時間とか狩り場で遊んでたあの頃だけど、
矢筒実装前は、矢が切れたwとかですぐに帰還とかもままあったもんねえw
ブリッツでまとめて殲滅したくてもSPないとかねw
シャープまんせーの頃は魔職とも住み分けでいいバランスだったねえ。

でも当時ソロでがんばって生き抜いてきた弓手の人って、
上手な人が多いっていう印象があるw

155ミリ卯月おつかれさまでした!
新職は何かな~、もう3次になってたりしてー!また張ります^^
ろく |  2015.05.01(金) 22:27 | URL |  【編集】

なにやら知的なイメージの文章を展開したと思ったらなんだその画像w

私みたいな新参者だと、連さん修羅さんつよいんだなーってくらいしか考えないですけど、そういう時代の流れを踏まえると、どの職もみんなプラスとマイナスがない交ぜになっている『普通』の職なんだろうなと思いました。
どの職が『特別』すぎるほどすごい、だなんてことはないんだろうなと。
Leaf |  2015.05.02(土) 00:37 | URL |  【編集】

ろくさんこんばんは。
大PTは魔と弓で交互にメイン張ってる感じだねー。
いずれまたどちらかの順番がやってくるから一時的な揺れはもうあまり気にならないというか,温もりさえ出張ってこなければいいかなと。

R化直前が一番よかったよね,やっぱり。
ネクロ本体の経験値を1/2にしてれば棚アビス狭間名無しがほぼ横一直線に並んで完璧だった。
魔も弓も活躍できた…どうしてこうなった。

生粋の弓手はPSが変態の域に達していて生体から降りてこない仙人のイメージある。

今月はまったりいきます^^





Leafちゃんこんばんは。
分かりやすさを重視しただけだよ。

結局どこに起点を置くかなんだよなあ。
昔冷や飯食わされてたから今強くなってもいいだろうとか,新しく始めたユーザーにはどうでもいい話だろうし。

でも,昔は誰からも相手にされてなかったケミやモンクがいつの間にか狩り強職になってたり,PTの中心だったプリがR化で存在意義を失いかけたりと,通してみるとなかなか面白いことは面白いかな。
戦場でセビリアの理髪師の音色が聞こえない日はなかったが…おっと誰かきたようだ。
えか |  2015.05.02(土) 22:44 | URL |  【編集】

画像がとてもおもしろかったですw
いつもブログを見ていますが、文字のセンスが素晴らしいです♪
水柳 海 |  2015.05.07(木) 17:50 | URL |  【編集】

水柳 海さんこんばんは。
学校のお勉強もこうやって人生を楽しむ役に立つこともあるのだから,世間でいわれるほど無意味ではないのかもしれないですね。
えか |  2015.05.08(金) 02:25 | URL |  【編集】

おつかれさまです。
弓職というと遥か昔に城2PT狩りが流行っていた時代を思い出します。
私はWizでしたがこちらが範囲魔法で殲滅しているところに突如沸いて被害をもたらすレイドアチャを瞬時にDSで射抜く弓手さんに感動したものです。
当時は詠唱を軽減する手段もそれほど多くはなかったので、瞬発力と単体火力では弓手の方に勝てる職はいなかったですねぇ、なんていう懐かしいことを思い出しました。

なにはともあれ連おつかれさまでした。
次のキャラにまた期待させていただきます。
どこかの復帰勢 |  2015.05.08(金) 12:40 | URL |  【編集】

どこかの復帰勢さんこんばんは。
あのころの城2は本当にバランスが神がかっていましたなあ。
編成次第ではウィズはQMとHDに徹してハンターに敵を始末してもらったほうがうまく回ったりして。
出の早い単体瞬発火力,出は遅いが威力抜群の範囲火力,どちらにも活躍の場があった。

弓手の瞬発力はピカイチでしたな。
本気を出すとあらゆる他職が不要になってしまうがゆえに,あえて補助に徹している弓手の悲劇の書き込みを思い出します。
弓手wikiに残ってた…いま見ても寂しくなる。

次のキャラもぼちぼちやります。
えか |  2015.05.09(土) 13:02 | URL |  【編集】

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